20170125

ホームヘルパー奮闘日記

ねぎらいながらの介助で夫婦が笑顔に!後編

要介護5のIさんは、認知症を患う74歳の女性。ひとりで面倒をみていた夫が疲れ果て、週6日の訪問介護をすることに。ところがIさんは夫もホームヘルパーも怖がって……。

この現場の主人公
広田嘉子さん(仮名)50歳 訪問介護歴3年
8年のデイサービス勤務後、訪問介護にうつり、現在はサービス提供責任者。地域の合唱サークルに参加し、老人ホームなどで歌うボランティアも。

主人がやかになったらIさんも変わった!
5月×日(事業所で打ち合わせ)
まずは夫婦関係を何とかしなければ。担当ヘルパーと「ご主人にねぎらいの言葉をかけて、Iさんが安心できる穏やかな介助を心がけよう」と決めた。

6月×日(訪問8回目)
介助の前に「よくひとりで介護してらっしゃいましたね」とご主人に声をかけたら、「徘徊していたときが一番大変でした」とポツリ。本音を口にしてくれただけでも一歩前進だと思う。

6月×日(訪問9回目)
ご主人が「妻は歌が好きで」とCDをかけた。「私も歌が好きなんです」とIさんに話しかけ、「おむつをお取り替えしますね〜♪」と歌うように言ったら「わかりました〜♪」とお尻を持ち上げてくれ、介助がスムーズにできた。

6月×日(訪問12回目)
おむつの交換時、Iさんは便を触ってしまう。どうしたものかと考え、ご主人にぬいぐるみを持ってきてもらった。「抱っこしてくださいね♪」と伝えたら「わかりました〜♪」と笑顔に。おむつに手をいれなかった。大成功!

7月×日(訪問2ヵ月目)
「尿とりパッドを使うと洗濯がラクですよ」とご主人に提案したら「そんなものがあるんですか」と。今日は「Lサイズのおむつでは大きいようで」と談を受けた。ご主人が私たちを信頼してくれるようになった証拠!!

9月×日(訪問4ヵ月目)
ご主人が「ずっと妻につきっきりでしたが、昨日は外でお昼を食べたんです」と。心の余裕が奥様の介護にも影響しているのだろう。Iさんが怯えることも少なくなった。

11月×日(訪問6ヵ月目)
デイサービスの担当者から「Iさんの状態がいい。リハビリをすればトイレで排泄できるかも」と提案があった。まずはリハビリパンツに切り替え、少しずつできることを増やしていきたい。それがご夫婦の笑顔につながるはず!

振り返って、今思う私がうまくいったワケ
・介護を担ってきた夫をねぎらう
お子さんの手も借りず、介護してきたご主人を担当者全員でねぎらいました。ご主人に余裕ができた結果、Iさんの気持ちも落ち着いたのだと思います。

・好みに合わせた声かけを工夫
歌好きの方なので「○○しますね~♪」と声かけも歌うように。相手に合わせたコミュニケーションを工夫するのはとても重要だと感じました。

イラスト/タナカユリ

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  • 2017年01月25日

この記事はこの号に掲載されています

ねぎらいながらの介助で夫婦が笑顔に!後編

へるぱる 2016 冬号57ページに掲載

おもな特集

  • 片麻痺・リウマチ・椎体圧迫骨折・パーキンソン病 症状別の配慮ポイントで介助術を見直そう!
  • 訪問介護サービスの 必須書類 そろっていますか?
  • 訪問介護のいろはがわかる!イラストで解説! やさしい「老計第10号」[4]

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