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事故再発防止のために

【事例】移乗介助中の転倒事故の原因と対策

ホームヘルパーのSさんが、訪問中に利用者をベッドからトイレまで車椅子で連れていき、便座に移乗しようとしたとき、利用者が急にふらつき転倒してしまいました。移乗介助中に利用者のズボンをおろそうとしたときだったので、支えることができなかったのです。

Sさんは事故報告書の事故原因の欄に「以前は安定していたので注意を怠っていた」と記入し、再発防止策の欄に「今後は毎回注意深く移乗介助する」と記入しました。

【原因】3つの視点にわけて「洗い出し」をしましょう!

1 利用者側の原因
利用者が急にふらついたのはなぜでしょう?

2 介護職側の原因
ふらついたときになぜ支えられなかったのでしょう?

3 環境・器具の原因
車椅子や住宅設備に問題はなかったでしょうか?

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【対策】原因を踏まえて考えましょう!

気合論を排除した再発防止策を!
事故が起きたとき、事故原因を職員やヘルパーの注意力不足だけと考えてはいけません。完ぺきな人はいないので、どんなに注意してもミスをしますし、事故も起きるからです。

事故原因を「注意を怠った」と書いてしまえば、再発防止策は「もっと注意する」という気合論になってしまいます。結果、事故の再発防止ができなくなってしまいます。

手すり・車椅子の見直しを検討
今回の事例でいえば、第一にトイレに立位でつかまれる手すりの設置を検討すべきです。また、フットレストが開かないタイプの車椅子であれば、こちらも変更を検討しましょう。そのうえで、さらにリスクを低減するために何ができるか、気合論ではなく具体的な対策を検討してみましょう。

監修/山田 滋
株式会社 安全な介護代表介護現場で積み上げた実践に基づくリスクマネジメントの方法論は、「わかりやすく実践的」と好評。著書に『安全な介護』(筒井書房)『介護施設の災害対策ハンドブック』(中央法規)ほか多数。

イラスト/フジサワミカ

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  • 2017年06月12日

この記事はこの号に掲載されています

【事例】移乗介助中の転倒事故の原因と対策

へるぱる 2017 夏号5-6ページに掲載

おもな特集

  • 事例を見ながら事故の原因と対策を考えよう 事故再発防止のためにできることとは
  • 認知症ケア[2] 「利用者を知る」ができていますか?
  • ホームヘルパーに求められる 食中毒の予防

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