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事故再発防止のために

【事例】食事介助中の誤えん事故の原因と対策

ホームヘルパーのKさんが訪問中の出来事です。その日はいつもより食事の用意が遅れていたため、急いで支度をし、ベッドをギャッジアップして食事介助することに。利用者が眠っていたので「お食事の時間ですよ」と声をかけて起こし、味噌汁を口に運んでからお粥を口に入れたところで突然苦しみ、誤えんを起こしたため、救急搬送されました。

事業所では「以前から利用者のえん下機能が低下していたことが原因」とケアマネジャーに報告しました。

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【原因】3つの視点にわけて「洗い出し」をしましょう!

1 利用者側の原因
利用者のえん下機能はどうだったのでしょうか?

2 介護職側の原因
食事介助の方法に問題はなかったのでしょうか?

3 環境・器具の原因
食事は、利用者のえん下機能に合った形態で提供されていたのでしょうか?

【対策】原因を踏まえて考えましょう!

過失のポイントは9項目
誤えん事故は防ぐことが難しい事故の代表です。なぜなら、事故の原因がとても多く、すべてに対応することが難しいからです。誤えん事故における過失の判断ポイントは、以下の9項目になります。

  • 摂食えん下機能を正しく評価していたか?
  • 服薬によるえん下機能の影響をチェックしていたか?
  • 摂食えん下機能に合った食材を選択していたか?
  • 摂食えん下機能に対応する食事形態を選択していたか?
  • 認知症固有の誤えんの危険に対して配慮をしていたか?
  • 誤えんを防ぐ正しい食事姿勢への配慮をしていたか?
  • 食前に口腔機能を円滑にするための配慮をしていたか?
  • 食事を急がせないよう時間的余裕の配慮をしていたか?
  • 嘔吐物を誤えんしないよう体調不良に配慮していたか?

怖い誤えん、正しい食事介助を!
本事例の場合、「眠っていた利用者を起こしてすぐに食事介助をしている」「覚醒の確認をしていない」「味噌汁を最初に口に運んでいる」などから、食事介助の方法が不適切であることは明らかです。きちんと覚醒を確認し、食事姿勢(座位)を保った状態で、誤えんの起こしにくいものから提供しましょう。

併せて、えん下機能の低下が著しければ、医師や管理栄養士などと連携をとり、利用者の状態に合ったえん下食の提供なども考慮する必要があります。

監修/山田 滋
株式会社 安全な介護代表介護現場で積み上げた実践に基づくリスクマネジメントの方法論は、「わかりやすく実践的」と好評。著書に『安全な介護』(筒井書房)『介護施設の災害対策ハンドブック』(中央法規)ほか多数。

イラスト/フジサワミカ

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  • 2017年07月26日

この記事はこの号に掲載されています

【事例】食事介助中の誤えん事故の原因と対策

へるぱる 2017 夏号9-10ページに掲載

おもな特集

  • 事例を見ながら事故の原因と対策を考えよう 事故再発防止のためにできることとは
  • 認知症ケア[2] 「利用者を知る」ができていますか?
  • ホームヘルパーに求められる 食中毒の予防

ほか

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