20161109

ホームヘルパー奮闘日記

男性ヘルパーの“お試し訪問”を提案して大成功!前編

88歳のYさんは要介護5の女性。要介護度が上がって排泄介助が難しくなり、力のある男性ホームヘルパーの訪問を申し入れました。ところが本人と家族は「下の世話は女性にお願いしたい」とのことで……。

この現場の主人公
中山涼子さん(仮名)53歳 訪問介護歴18年
サービス提供責任者になって8年。困難事例も、問題の根本を探って冷静に対応・解決してきた人。ホームヘルパー業務も兼務。

いろいろ手を尽くすも男性ヘルパーを受け入れてもらえず
6月×日(家族に打診)
パーキンソン病の進行で立位保持が難しくなったYさん。しかし、同居の娘さんの希望は「排泄はトイレでさせてほしい」。排泄は尊厳にかかわるし、気持ちはよくわかる。でも、ほとんど膝に力が入らず、脱力状態のYさんの排泄介助は大変。そこで、力と技術のある男性ヘルパー・佐藤の訪問を打診したが、Yさんも娘さんも「若い男の人に下の世話をしてもらうのはちょっと……」と答えるのみ。「彼は施設経験があり、力だけでなく技術的にも優れているので、安心してお任せいただけると思います」と説明したが、受け入れてはいただけなかった。

6月×日(家族に打診2回目)
担当の女性ヘルパーから「ひとりでYさんの体を支えながら下着をおろすのが大変です。事故につながったらと思うと心配で」と相談があった。ここはやはり、力と技術のある佐藤が必要だ。再度「男性ヘルパーを入れさせてほしい」旨を申し入れたが、Yさんも娘さんも首を縦に振らない。どうしたものやら……。

6月×日(家族に打診3回目)
このままでは、いずれYさんはトイレで排泄できなくなる。ご利用者さんの状態と要望に合わせ、必要な介助が得意なヘルパーを選出するのが私の仕事だ。3度目の正直で、男性ヘルパーの介助を電話で申し入れたが、娘さんは「やっぱり男の人は……」と言葉を濁す。これはきっと、下の世話だからという理由以外にも、男性を嫌がるわけがあるに違いない。直接お会いして、お話を伺ってみよう。

6月×日(家族に打診4回目)
娘さんに詳しく話を聞くと「ショートステイでの男性スタッフの対応が乱暴だったことがあり、母は不信感と恐怖心を持ってしまったんです」と。「うちの男性ヘルパーは違います。一度、彼のケアを見ていただけませんか。私も一緒に伺います」と伝えてみた。娘さんは「そこまでおっしゃるなら……。私が見て大丈夫そうなら母を説得します」と言ってくれた。一歩前進!

イラスト/タナカユリ

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  • 2016年11月09日

この記事はこの号に掲載されています

男性ヘルパーの“お試し訪問”を提案して大成功!前編

へるぱる 2016 秋号62-63ページに掲載

おもな特集

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