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【研修】食中毒・感染症から利用者を守ろう

食中毒・感染症予防【1】抵抗力をつける

食中毒・感染症予防というと、外から入ってくるウイルスや菌対策にばかり目がいきがちです。でも体が持っている力=抵抗力を高めることが、食中毒や感染症予防では何よりも重要です。

呼吸機能を低下させないことが予防の鍵に
病気の原因となるウイルスや細菌が体内に入り込み、増殖することで食中毒や感染症は発症します。でも、抵抗力や免疫力をしっかり備えていれば、体は感染源から守られ、防ぐことができます。

また、私たちは呼吸によって、肺に入ってきた菌や不要なものを吐き出しています。せきや痰も、不要なものを外に出して体を守る防御反応の一種です。

しかし、年齢を重ねると少しずつ肺の力は衰えてきます。要介護の利用者となれば、さらに活動量が落ちるため、日常的に浅い呼吸になりがちです。すると肺活量も落ち、せきや、むせて異物を外に押し出す力が弱くなります。その結果、高齢者が大きく体調を崩すきっかけとなる「誤嚥性肺炎」になる人が大勢います。

これを防ぐために大事なのは“むせる”という防御反応と“菌に負けない体づくり”です。それは即ち、食中毒・感染症予防につながります。肺を動かして呼吸機能を低下させない、のどや口腔のケア、食事で栄養をとるなど、方法はいろいろとあります。「これは予防につながることだ」と意識して実践しましょう。

日頃のケアを通してできる対策
深呼吸をして肺活量を増やす
高齢になると胸の関節が硬くなり、胸郭が広がりにくくなります。あまり体を動かさない生活や寝たきりの状態が続くと、より硬くなり、肺も膨らみにくくなります。その対策として効果的なのが深呼吸。日頃から繰り返し行うと肺活量が増えます。無理に深呼吸の時間をつくるのではなく、ケアのなかに取り入れて、利用者の負担にならないようにしましょう。

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口腔ケアで細菌を洗い流して外に出す
感染症予防において、口腔ケアの重要性は介護職であれば既に理解しているでしょう。高齢者の肺炎は、口腔内の細菌が気道に入り込んで発症することもわかり、ますます重要視されています。歯だけでなく頬の内側、舌、のどのまわりなども定期的にケアし、口の中を清潔に保ちましょう。口から食事をとらない人でも口腔ケアは必要です。起き上がってもらうのが難しい人は、横向きで寝た状態で口の中を濡らし、スポンジブラシなどで汚れをぬぐった後、水を吐き出してもらうだけでも構いません。

監修/倉井千恵
セコム医療システム株式会社 ケアサービス部課長。看護師、ケアマネージャー。1998年に入社。訪問看護、訪問介護、ケアマネジャーの実務を経て、現職。在宅介護を展開する部署で、おもに組織作り、人材の育成を担当。

文/植田晴美 イラスト/岡村奈穂美

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  • 2018年06月11日

この記事はこの号に掲載されています

食中毒・感染症予防【1】抵抗力をつける

へるぱる クレーム予防策【1】利用者を知る16ページに掲載

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