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コミュニケーションを見直そう!

事例【2】大声で怒鳴り散らされてしまったら

70歳の男性、要介護2のTさん。独居で身寄りはなく、生活保護を受給。慢性閉塞性肺疾患(COPD)のため在宅酸素を使用しています。おもに家事全般(生活援助)を支援するために週3回訪問中ですが、いつも高圧的で、やってほしいことを指示します。計画内容と異なるため、できないことを伝えると、大声をあげて怒鳴り散らします。「担当から外してください」と言うホームヘルパーも出る始末。Tさんに注意すると余計に神経を逆なでしそうで、どうにもできません。

この事例の背景を考えよう!
介助者に対して高圧的な態度を取る利用者の心境は、虚栄心であることが多いでしょう。以前の生活ぶりを知ることで、虚栄心が起こる理由がわかるかもしれません。

例えば、社会的に成功を収めていたのに、病気によって人生が変わり、財産も使い果たし、家族からも見放され、生活保護を受けるようになったのであれば、以前のプライドが見栄を張らせていることは十分に理解できます。

その場合、年下のホームヘルパーに対して、高圧的になりやすいことが想像できるでしょう。自分の言う通りに動かせれば、優越感に浸ることができます。とはいえ、これは正しい関係性ではないので改善が必要です。

しかし、このような背景が理解できていれば、ただ単に「高圧的な態度を取る高齢者」という見方から、「意図せず人生を転げ落ちてしまい、悔しさを持った人」というように見ることができ、今までとは違った気持ちで接することができるでしょう。

どのような利用者であっても、「合わない」「無理」と避けるのではなく、なぜそうした言動を取るのか理解するように努めてみましょう。そこからコミュニケーションのきっかけが見えてきます。

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こんな接し方をしてみよう!
高圧的な態度に対しても慌てず、冷静に接する
利用者の背景が見えてきたならば、まずは冷静に接してみましょう。高圧的な言動にも慌てることなく、「今日は○○を希望されているのですね。でもそのサービスは以前話し合った内容には入っていなかったので、これから追加しましょう」「私たちの支援をご利用いただくのであれば、そのための手続きが必要ですので、そこはご理解ください」などと丁寧に伝えて理解を得ます。

監修・執筆/能本守康
介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員、日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー、日本介護支援専門員協会常任理事、(株)ケアファクトリー代表取締役などを務める。著書に『Q&A 訪問介護サービスのグレーゾーン 改訂版』(ぎょうせい)などがある。

イラスト/フジサワミカ

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  • 2019年03月13日

この記事はこの号に掲載されています

事例【2】大声で怒鳴り散らされてしまったら

へるぱる 2019年3・4月号10,11ページに掲載

おもな特集

  • 利用者との コミュニケーションを見直そう!
  • 医療の現場に聞く 感染対策これが大切!
  • 利用者目線で考える プライバシーの保護とは?

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