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利用者起点の虐待防止

【虐待防止】利用者が感じる介護職の不快なケアとは

身体的虐待と感じられた言動

    • 声かけなしに、ベッドから車いすに移乗させられた。>

明らかな身体的虐待とはいえないものの、自由に体を動かせない利用者に、大きな恐怖心を与える行為です。事故につながるおそれがあるだけでなく、くり返せば心理的虐待につながる可能性もあります。

    • 認知症だからわからないだろうと、頭をたたかれた。
    • 大きなスプーンで口いっぱいに食べ物を入れられ、うまく飲み込めずにむせてしまった。
    • 可動域制限があるにもかかわらず、健側(障害がない側)から無理やり着替えをさせられた。
    • 車いすに乗っている母が、ベルトで拘束されているのを目撃した。

「切迫性・非代替性・一時性」という3要素を満たさない限り、身体拘束は虐待に当たります(車いすに補助テーブルを付けるなど実質的に動けないようにすることも身体拘束)。利用者の命を守るため「緊急やむをえない場合」に該当するとしても、関係者や家族にはしっかり説明が必要でしょう。

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心理的虐待と感じられた言動

    • 自分の目の前で、便の状態について家族に報告された。
    • 喫煙はしていないのに「タバコの臭いがする」と疑われ、否定すると「嘘つき」と言われた。
    • 「何をやってるんだ」「ぐずぐずするな」など、乱暴な言葉遣いをされた。
    • 子どもに対してするように、頭をなでられた。
    • 名前を呼び捨てにされたり、「おばあさん」と呼ばれたりした。

明らかな暴言はもちろん、高齢者の尊厳が保たれない無神経な対応は人権侵害に当たる可能性もあります。慣れによって無意識におこなうことのないよう、誤解を招くような対応がないか振り返ってみましょう

本誌では、さらに3つの分類も紹介しています。

監修/山田祐子
日本大学文理学部社会福祉学科教授。日本高齢者虐待防止学会事務局長・理事。かながわ高齢者あんしん介護推進会議高齢者虐待防止部会委員長。社会福祉学の視点から、高齢者虐待の実践的な研究やマニュアル作成に携わる。著書に『家族介護と高齢者虐待』(一橋出版)など。

イラスト/しまだ・ひろみ

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  • 2019年08月14日

この記事はこの号に掲載されています

【虐待防止】利用者が感じる介護職の不快なケアとは

へるぱる 2019年9・10月号26ページに掲載

おもな特集

  • これで怖くない! 実地指導は慌てず迎える
  • “知らない”ではすまない 交通ルールの基本
  • 虐待防止は 「利用者の思い」を起点に

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