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不安を安心に変える認知症ケア

認知症利用者の不安を想像してケアに生かすヒント

利用者の不安を安心に変えるために、介護者はどうしたらいいか、創造的なケアとはどういうものか、例を参考にして一緒に考えてみましょう。

食事をしたばかりなのに「食べていない」と利用者が訴えるケース
【想像】利用者はどのような気持ち?

  • ご飯を食べたいのに、食べさせてくれない!
  • なんでわかってくれないの!
  • お腹が空いているのに出してくれない!
  • イライラする!

【想像】どのような症状や要因が関わっている?

  • 記憶障害が影響して、食べたことを覚えていないのかもしれない。
  • 満腹中枢の働きの衰えにより、食べたのに満たされず、空腹を感じているのかもしれない。
  • 口寂しくて他にすることがないのかもしれない。
  • 何度も訴えてくるので本当に空腹なのかもしれない。

【創造】何ができる?

  • 利用者に「食べた」という事実を押し付けない。
  • 「 食べた・食べない」の言い争いは避ける。
  • 「 今、準備します。待っていてくださいね」と利用者の気持ちを受け止めて、様子をみる。
  • 「 お腹が空いたらつらいですね」「今は食事が用意できないのですが」「おにぎりを用意しますね」「お茶を飲んで待っていてくださいね」など、お腹に影響が少ない範囲の食べ物や飲み物を用意して様子をみる。

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デイサービスに行くのを嫌がるケース
【想像】利用者はどのような気持ち?

  • 知らないところに行きたくない!
  • 知らない人ばっかりで嫌!
  • 嫌って言ってるのになんで行かないといけないの!

【想像】どのような症状や要因が関わっている?

  • デイサービスに行くと何か嫌なことがあるのかもしれない。
  • この前行ったときは、デイサービスでどんなことをしたのだろう?
  • 実行機能障害や失行などが関わって苦手なことがあるのかもしれない。
  • できないことばかりさせられて自信を失っているのかもしれない。
  • 他の利用者との関係はどうなのだろう?

【創造】何ができる?

  • 利用者がデイサービスでどのように過ごしていたかを職員に聞いてみる。
  • 利用者に得意なことやできることをして過ごすように勧めてみる。
  • 「 一人で好きなことをしてもいいんですよ」と伝え、前向きな気持ちを引き出す。

本誌では、利用者の気持ちを思い浮かべながら考えたいワークショップを紹介しています。

監修/北田信一
看護師。介護支援専門員。東京都立大塚看護専門学校卒業。精神科病院病棟看護師長、看護専門学校専任教員、介護福祉士養成施設専任教員(教務課長)を経て現在、認知症対応型グループホームPAO経堂、デイサービスPAOすがも運営の傍ら、訪問看護ステーションNew Step練馬で訪問看護に携わる。教員時代より日本社会事業大学介護技術講習会主任指導者を務めるなど、介護技術教育にかかわる。

イラスト/しまだ・ひろみ

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  • 2019年11月08日

この記事はこの号に掲載されています

認知症利用者の不安を想像してケアに生かすヒント

へるぱる 2019年11・12月号26ページに掲載

おもな特集

  • 利用者・家族からの ハラスメントにどう向き合う?
  • 不安を安心に変える 認知症ケア
  • ホームヘルパーに求められる 倫理・法令遵守とは?

ほか

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