20161116

介助術を見直そう

利用者の症状に合わせた介助のポイントとは

私達を待つのは支援・介助が必要な人達であることを忘れずに
介護サービスを受けている利用者は、加齢や病気のために体の機能が障害され、今まで自立してできていた日常生活に不便を感じている人ばかりです。そして利用者の中には、リウマチを患っていたり、片麻痺やパーキンソン病、椎体(ついたい)圧迫骨折などの疾患や障害を持っている人も少なくなく、これからますます増えると考えられます。

ホームヘルパーの役割は、介護が必要になった人が自宅で安心して暮らせるよう、適切なサービスを提供することですが、果たしてこうした疾患や障害を持っている利用者に即した介助・介護ができているでしょうか。

「当たり前ですが、麻痺の程度、関節の痛み、筋力の低下などは一人ひとり異なっています。それぞれの疾病の特徴を理解して、症状に合わせた介助をすることで、はじめて利用者の役に立つ支援になるわけです」と、理学療法士で介助技術の向上と普及に努めている田中義行先生は、利用者の症状に合わせた介助の重要性を強調します。

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利用者の不自由さを理解する
介助術には、すべて根拠があります。たとえばベッドからの起き上がりでも、片麻痺のある利用者と椎体圧迫骨折の利用者では、介助の方法が違います。

関節リウマチの利用者の介助は、ほとんどのホームヘルパーが経験しているのではないでしょうか。そのとき、どのような介助を行いましたか?関節リウマチは負担がかかると関節や骨が徐々に破壊されていく疾患で、フライパンを持ったり、マグカップを持ったりするだけで、関節や骨が壊れて変形していきます。関節リウマチの人には、利用者ができるだけ指先を使わないように介助します。ところがホームヘルパーの中には、「自立支援」のためだからと料理を一緒に作ったり、洗濯物をたたんだり、拭き掃除をするようにリードする人が少なくありません。これは知識不足です。

このように特性を理解しないまま介助を行えば、よかれと思ってしていたことが、後々、身体状態の悪化を引き起こしてしまうことにもなりかねません。

介助の基本になる疾患や障害に対する知識、そして基本的な介助術を身に付け、さらに想像力を働かせて介助される人の気持ちが理解できるようになったときに、最もよい介助サービスが提供できるのです。

監修/田中義行先生

理学療法士。上川病院、江戸川医療専門学校(現東京リハビリテーション専門学校)講師、介護老人保健施設港南あおぞらを経て、現在は株式会社 大起エンゼルヘルプ、品川区立東大井地域密着型多機能ホームに在職。一般社団法人日本介護技術協会研究会会長。

取材協力/愛の家 訪問介護ステーション浦和常盤 管理者 猪股正美

イラスト/竹口睦郁

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  • 2016年11月16日

この記事はこの号に掲載されています

利用者の症状に合わせた介助のポイントとは

へるぱる 2016 冬号4-5ページに掲載

おもな特集

  • 片麻痺・リウマチ・椎体圧迫骨折・パーキンソン病 症状別の配慮ポイントで介助術を見直そう!
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