モニタリングの結果は、事業所内で確認してサービス内容の見直しのために活用するだけでなく、ケアマネジャーへ提供してケアプラン改善のために役立ててもらうことができます。ケアマネジャーも独自にモニタリングを実施していますが、その目的は利用者が受けている介護サービス全般について考えること。一方、サービス提供責任者のモニタリングは「自宅での生活に特化した情報を集める」という方向性で行うものなので、その点を意識した聞き取りを心がけましょう。
あらためて話を聞く機会を設けることで、利用者からの要望を早期に把握して苦情を未然に防いだり、的確な情報共有を通してケアマネジャーとの信頼関係を構築したりと、さまざまな効果を実感できるはずです。利用者やその家族はもちろん、日々のケアを現場で実践しているホームヘルパーの協力も仰ぎながら、積極的にモニタリングを行っていきましょう。
『へるぱる2018 11・12月』では利用者・家族にとっての事業所・ホームヘルパーにとってのモニタリングのもたらす効果について解説しています。
柴田範子(しばた・のりこ)
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト「くじら雲」を運営する。神奈川県ボランタリー活動推進基金審査会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。イラスト/仲野ひかる