利用者の生活に最も近い介護サービスを提供する訪問介護者だからこそ、知っておきたい医療の知識をお届けします。今回は、睡眠を取り上げます。
Q 夜眠れなくても、昼寝をしていれば大丈夫?
A 昼寝によって、さらに生活リズムが崩れてしまうため、不眠が進みます。
睡眠のメカニズム
人は、上の図のようなメカニズムで、毎日眠っています。ここで大切になるのは、「朝、日光を浴びること」や「食事をとること」です。とても基本的な行動ですが、これらを規則正しいリズムで行うことが、質のよい睡眠につながります。夜眠れなかったからといって、昼寝をして睡眠時間を確保することは、その場しのぎにしかならず、不眠そのものの改善にはなりません。かえって、リズムを乱す原因になってしまいます。まずは生活リズムを整えることから始めるようにしましょう。
堀 美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携! お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。イラスト/みやれいこ