障害があって支援を必要としている人に対して、支援者は、本当に本人が望んでいる支援、サービスを提供できているでしょうか。障害があることを、支援する側は過剰に特別視していないでしょうか。ご自身も脳性まひによる障害をもつ車いすユーザーであり、当事者研究の第一人者である熊谷先生と、「障害」の捉え方も含め、「当事者視点」からの支援、サービスのあり方について考えます。
日本では、2014年に障害者権利条約が発効しました。常に「障害者」という枠の中で考えられてきた障害のある人への支援。しかし、この権利条約は障害のある人にも、ない人と同じ権利と自由があることを保障しました。
考え方のポイントは、大きくわけて下記4点です。
- 目線は障害のある人だけではなく社会全体に向ける
- 受けられる意思決定支援の格差をなくす
- 新しい「自立支援」の概念とは?
- 意思決定支援はすんなりいかなくて当然
本誌では、少し細かく解説していきます。
これからの、障害福祉のあり方を、一緒に今一度考えてみませんか?
監修/熊谷晋一郎
1977年生まれ。脳性まひの電動車いすユーザー。小児科医、東京大学先端科学技術研究センター准教授。著書に『発達障害当事者研究』(共著、医学書院)、『リハビリの夜』(医学書院、新潮ドキュメント賞受賞)『痛みの哲学』(共著、青土社)など。取材・文/宮下公美子