利用者の多くは、何かしらの疾患をもち、薬を使用しながら生活しています。ホームヘルパーとして、利用者が使用している薬への理解を深めることはよりよいサービスにつながります。この連載では、薬の基本的情報に加え、その薬が生活にどう影響するのかを解説します。
うつ病は、何らかの原因で気分が落ち込み、生きる活力が減退してしまう病気で、上記のイラストの脇にあげたような症状がみられます。高齢者がうつ病を引き起こす要因は、家族や友人との死別、生活環境の変化、老化や持病による身体機能の低下など、非常に多岐にわたります。
認知症の症状と似ているものもありますが、根本的な原因が異なりますので、利用者の変化を見逃さないように注意しましょう。本誌では、変化の現れやすいタイミングや、服薬に関する注意点などを介護職が関わりやすい点から解説しています。
監修/堀美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携!お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。
イラスト/佐藤加奈子