あなたならどうしますか?
車椅子の利用者をデイサービスへ送り出す介助をします。体が大きな利用者なので、腰に手が回らず、ベッドから車椅子への移乗が安全に行えるか不安があります。基本の動きがとりづらい場合、あなたならどうしますか?
こんなふうに考えてみましょう
体を抱えるのが難しい大きな利用者の移乗は、スライディングボードを利用しましょう。ない場合でも介護者は一人で行おうとせず、利用者の力を借りながら、できる方法を考えてみましょう。「利用者は動けない」という思い込みがより負担を重くします。座る力があれば、ある程度は声かけ次第で動けるものです。
スライディングボードがない場合
利用者におじぎをしてもらいながら、移乗します。
1. 車椅子をベッドに対して平行に置き、利用者にベッドの端に浅く座って、足を開いてもらう。
2. ベッドに近いほうの肩に顔をのせてもらう。
3. おじぎをしてもらいながら車椅子に座ってもらう。
監修/北田信一
看護師。介護支援専門員。東京都立大塚看護専門学校卒業。精神科病院病棟看護師長、看護専門学校専任教員、介護福祉士養成施設専任教員(教務課長)を経て現在、株式会社PAO代表取締役。認知症対応型グループホームPAO経堂、デイサービスPAOすがもを運営する。教員時代より日本社会事業大学介護技術講習会主任指導者を務めるなど、介護技術教育にかかわる。イラスト/さいとうかこみ