日常会話のなかにも膨大な個人情報がある
訪問中に家庭内の状況を直接目にし、利用者や家族と日常会話を重ねるなかで、意図せずともホームヘルパーは数多くの個人情報を手に入れています。まずは、利用者が本来は知られたくないような情報を取り扱う立場だという意識を持ち、その秘密を守ることも職務のうちであることを忘れないようにしましょう。
また、ケアの質を上げるために知りたいことがあったとしても、それが利用者にとっては「他人に言いたくないこと」である可能性も考え、情報収集は慎重におこなう必要があります。
利用者との会話のポイント
- 利用者との会話などで知ったことは、すべて個人情報であることをしっかり認識する。
- 利用者や家族が答えたくないような内容を無理に聞き出さない。
- ケアに必要な情報も、日常会話を通して長期的な視野で集める。
- 事情聴取のように、利用者の目の前でメモを取ることは避ける。
訪問前後の会話にも注意しよう!
サービス提供責任者による同行やホームヘルパー2人体制での訪問時、サービスの前後に、利用者宅の近くでちょっとした打ち合わせなどをすることがあるかもしれません。
しかし、それを偶然目にした利用者が「自分のことを話しているのかも」と思い、クレームにつながったケースがあります。利用者のことを外で話すのはもちろん避けるべきですが、それ以外の話題でも、訪問先の近くで会話するのは望ましくないといえるでしょう。
本誌ではプライバシーを配慮した介護記録の書き方のポイント、ワークショップのしかたなど役立つ情報を多数案内しています。
監修/株式会社ツクイ ツクイ横浜緑
上梶麻紀子
介護福祉士、介護支援専門員。訪問介護・居宅介護支援の管理者を務めるほか、相談支援専門員としても利用者を支える。二宮葉月
介護福祉士。訪問介護事業限定管理者・サービス提供責任者を務めながら、研修計画や資料作りも担当。イラスト/舩附麻衣