ホームヘルパーとして利用者と関わるとき、どのように行動すればプライバシーを守ることにつながるのでしょうか。訪問時、特に配慮が求められる場面について取り上げます。
私的な領域に立ち入る行為だからこその配慮を
介護度が高くなればなるほど、利用者はケアを担うホームヘルパーに対してプライバシーをさらす必要があります。なかでも、もっとも私的な領域に立ち入る行為のひとつが、身体介護だといえるでしょう。特に、排泄や入浴の場面を見られたくないのは、人として当たり前の感情です。さりげない気遣いで、利用者へ配慮することを心がけましょう。
排泄介助のポイント
- あらかじめ手順や必要な物品を確認し、陰部を露出する時間を最短にする。
- おむつやリハビリパンツを交換する際は、可能な範囲で利用者から見えないように工夫をす。
- 排泄物の処理を手早くおこない、においにも気を遣う。
- トイレで排泄する場合はできるだけドアの外で見守り、急かすような声かけをしない。
- 排泄物の観察時、利用者の目の前で記録を取ったり、安易に感想を口にしたりしない。
自分の排泄する姿や排泄物は、本来であれば「絶対に見られたくないもの」です。その人の健康や清潔を保つために必要だからこそおこなう排泄介助ですが、利用者がそのような思いを抱えながらケアを受けているという前提を忘れないようにしましょう。
本誌では訪問時に気をつけたいプライバシー配慮のポイント、介護記録の書き方のポイント、ワークショップのしかたなど役立つ情報を多数紹介しています。
監修/株式会社ツクイ ツクイ横浜緑
上梶麻紀子
介護福祉士、介護支援専門員。訪問介護・居宅介護支援の管理者を務めるほか、相談支援専門員としても利用者を支える。二宮葉月
介護福祉士。訪問介護事業限定管理者・サービス提供責任者を務めながら、研修計画や資料作りも担当。イラスト/舩附麻衣