統合失調症には、「陽性症状」「陰性症状」「社会機能の低下」という特徴的な症状があります。どの症状も本人にとってはつらいものですが、なかなか周囲にそのつらさは理解されません。また、自分が病気であるという認識(病識)を持てないことが多く、妄想を「そんなことはあり得ない」と否定されることなどによって、周囲に対する不信感を募らせてしまうこともあります。
陰性症状
感情の平板化
表情がなくなり、感情の起伏が乏しくなる。周囲に対して無関心になる。
意欲の欠如
一日中ぼんやりとして過ごし、何もしなくなる。
陽性症状
妄想
明らかに現実とは違うのに確信して、誰にも訂正できない考えのこと。「誰かに電話を盗聴されている」「みんなから狙われている」など、被害的な内容が多い。
幻覚
実際にはないものが、あるように感じられること。最も多いのが、「ばか」「役立たず」のような批判的な言葉などが聞こえる「幻聴」。その他、実際にはないものが見える「幻視」や、虫が体を這っているように感じる「体感幻覚」などがある。
思考の障害
話の脱線が目立つ。つじつまが合わない、意味の通じない話をする。言葉を発しなくなる。
社会機能の低下
生活機能の低下
着替えや入浴、掃除、洗濯などをしなくなる。同じものを食べ続ける。外出や通院をしなくなる。
社会的孤立
被害妄想によって他者との関わりを断ち、自室にひきこもることもある。
本誌ではそれぞれの症状から起こりやすいこと、支援のポイントをわかりやすく解説しています。
監修/竹林裕直
医療法人正慶会栗田病院診療部長。併設する介護老人保健施設幸正の苑の施設長も兼任。2001年東京医科歯科大学医学部卒業。2008年同大学院修了。東京医科歯科大学附属病院、東京都多摩老人医療センターを経て現職。取材・文/宮下公美子 イラスト/タナカユリ