利用者の多くは、何かしらの疾患をもち、薬を使用しながら生活しています。ホームヘルパーとして、利用者が使用している薬への理解を深めることはよりよいサービスにつながります。
皮脂欠乏症は、皮膚の水分・油分の減少によって皮膚が乾燥する病気のことで、いわゆるドライスキンや乾燥肌と呼ばれる状態です。高齢者に起こる皮膚疾患「老人性皮膚掻痒症(ろうじんせいひふそうようしょう)」は、かゆみが出る症状ですが、皮脂欠乏症による乾燥が原因と言われています。また、薬の副作用や腎機能の低下もかゆみの原因としてあげられます。いずれも、治療法としては軟膏やクリームなどの保湿剤が主なものになりますが、適切な量と正しい塗り方について、意外と正しい使い方が知られていない現状があります。本誌では、適切な量・塗り方・タイミングなどを、訪問介護職が関わりやすい点から解説しています。
監修/堀美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携! お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。
イラスト/佐藤加奈子