日常的に流水石けん手洗いをする場合は、石けんをつけて15秒以上時間をかけて、手を洗いましょう(洗い方は『レクリエ2019 3・4月号』18ページ参照)。手袋をしていても、手袋をはずした後は流水と石けんで手洗いする、またはアルコール消毒液を手指にすりこむ、のいずれかを行い、いつも手指は清潔に保ちましょう。
手が傷ついていませんか?
手や指に傷がついていたり、手が荒れていたりすると、手洗い等が苦痛になります。また傷や肌荒れがある部分に細菌がつくことで、感染を広げるおそれもあります。こまめにハンドクリームやハンドローションなどで、手指のスキンケアを行いましょう。
缶などに入ったハンドクリームを指ですくうと、その中で細菌やウィルスが繁殖する心配があります。クリームならばチューブタイプ、ローションならばポンプタイプなど、ワンウェイで中身が逆戻りしたり、汚染されたりしにくい容器に入った保湿剤を使いましょう。
手袋をすることで、利用者に「冷たい人」と思われる?
「ケアをするときに、いちいち手袋をするなんて、冷たい人ね」。利用者やご家族にそんなことを言われるのでは…と心配する人もいるでしょう。しかし「手袋をする」のは利用者やそのご家族を感染から守るためであり、ホームヘルパーが訪問するご家庭全ての人のために必要なこと。「感染予防のため、手袋やマスクの装着が大事であること」を、最初の契約のときにきちんと説明して、利用者やご家族の理解を得ておきましょう。
本誌では感染症を発症している利用者と接する際の「標準予防策」+「経路別予防策」等役立つ対策を詳しく紹介しています。
監修/西川美由紀
日本赤十字社医療センター 看護部 感染管理認定看護師 副師長
東京医療保健大学大学院感染制御実践看護学講座、日本赤十字社助産師学校、心身障害児総合医療養育センター養育研修所などの非常勤講師を務める傍ら、2018年より東京医療保健大学大学院感染制御学博士課程在学中。取材協力/株式会社ナース・ステーション
(事業本部長 関口真充 看護部長 鈴木加津美)取材・文/植田晴美 イラスト/しまだ・ひろみ