抗菌薬のこと、知っていますか?
利用者から「風邪ぎみなんだけど、余っている抗菌薬があるから飲んでもいいかしら?」と聞かれたことはありませんか?
ホームヘルパーは医療職ではないので、薬学的な専門知識を持つ必要はありませんが、こういう質問を利用者から受けることもあるのではないでしょうか。この連載では、利用者がよく使う薬にかかわる知識を、ポイントを絞って解説していきます。
抗菌薬は、細菌を原因とする感染症の治療のために処方される薬です。
風邪の原因の多くはウイルス。そのため、細菌に効果のある抗菌薬は、風邪をはじめとしたインフルエンザなどのウイルスが原因の感染症に対しては効きません。ウイルスに効果があるのは抗ウイルス薬です。
しかし、上の円グラフを見ると、その点を誤解している人は3分の1以上にのぼります。(2022年厚生労働省調べ。抗生物質とは、抗菌薬のうち生き物由来の物質から開発されたものです)
誌面では、他にも
- そもそも抗菌薬ってなんだろう?
- 気を付けたい飲み合わせ
などを丁寧に解説しています。この機会に、ぜひ確認してみてください。
監修/堀 美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」の店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携! お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。