関節リウマチや変形性関節症は高齢の女性に多い疾患です。理論に基づいた基本的な介護術と、「3つの大」で、その人に合った介護を目指しましょう!
利用者の痛みのレベルに寄り添った介助を
関節リウマチや変形性関節症は痛みの症状が強く、介護者は痛みへの理解が必要です。利用者のどこが痛くて、どうすると痛むのかを知っておくことは、安全な介助をするうえでとても重要なポイントです。介助に入る前には必ず、痛みや体調の確認をしっかりと行いましょう。
確認する際に特に心掛けたいのは、北田先生が大切にしている「3つの大」の「大好き」の部分(あなたのことをもっと知りたいですということ)です。痛みはその日その日で違いますし、関節リウマチでは日内変動といって1日のうちでもその時その時で痛みの強さが変わります。「大好き」の視点を持って、「あなたの今日の痛みの具合はどうですか? 今の痛みの具合はどうですか?どうしたら痛くないですか?」と確認していきましょう。
また、歩行に問題を抱えている場合が多く、杖を使う利用者も少なくありません。痛みをかばいながらの歩行は体のバランスを崩しやすく、また動かした際に激痛が走り、その痛みへの驚きで、体が転倒しやすい状態にあります。介護者はいつでも支えられるよう十分注意して介助をしてください。
大好き・大丈夫・大切 「3つの大」
大好き
「私はあなたが大好きです。あなたのことをもっと知りたいです」
利用者がどう触れてほしいのか、どう支えたら痛くないのかなど、利用者がしたいことや、したくないこと、その思いを知りましょう。
大丈夫
「私はしっかりした介護技術を持っているので任せていただいて大丈夫です」
エビデンスに基づいた介護術があってこその安心や信頼。
大切
「私はあなたの思いや考えを大切に敬ってケアさせていただきます」
利用者に対する心構え。
本誌では関節リウマチの介助術とモデル画像を使いていねいに詳しく解説しています。
監修/北田信一
看護師。介護支援専門員。東京都立大塚看護専門学校卒業。精神科病院病棟看護師長、看護専門学校専任教員、介護福祉士養成施設専任教員(教務課長)を経て現在、認知症対応型グループホームPAO経堂、デイサービスPAOすがもを運営の傍ら、訪問看護ステーションNew Step練馬で訪問看護に携わる。教員時代より日本社会事業大学介護技術講習会主任指導者を務めるなど、介護技術教育にかかわる。イラスト/竹口睦郁