「何を書けばよいのかわからない」と苦手意識を持たれがちな書類ですが、上手に活用すればケアの質向上にも貢献してくれます。ホームヘルパーとサービス提供責任者に関わりの深い書類に絞って学んでいきましょう。
訪問介護の重要書類はこの5つ
実際に作成する流れに沿って全体像を把握しよう
アセスメント表
[目的]利用者や家族から情報収集し、現状や課題を把握・分析する
[記載内容]ADL、IADL、疾患名、かかりつけ医、心理状態、生活環境、家族背景など
[作成のポイント]「何に困っているか」という視点で観察や聞き取りを行う
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訪問介護計画書
[目的]訪問介護における目標を立て、それを実現するためのサービス内容を具体化する
[記載内容]本人や家族のニーズ、長期・短期目標、サービス内容、週間予定など
[作成のポイント]その人らしい個別性のある目標を立てる
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手順書
[目的]誰が訪問しても均一なサービスが提供できるよう、流れや注意点を共有する
[記載内容]具体的なケアの方法、所要時間、利用者からの要望、必要物品の置き場など
[作成のポイント]どの利用者にも共通することは省いてシンプルに記載する
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サービス提供記録
[目的]適切なケアを行っていることを公的に証明し、継続的なサービス提供につなげる
[記載内容]日付と時間、担当者、提供したサービス内容、利用者の様子など
[作成のポイント]チェック欄と自由記述欄をうまく使い分ける
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モニタリングシート
[目的]1~3か月ごとを目安に利用者の現状を確認し、サービス内容を見直す
[記載内容]目標の達成度、サービスへの満足度、心身の変化、計画見直しの必要性など
[作成のポイント]以前と比べて何がどのように変化したかに着目する
本誌では書類作成の意外と知らない基本ルールやアセスメント表・訪問介護計画書・サービス提供記録の書き方を具体的に詳しく解説しています。
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監修/柴田範子
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト事業所「くじら雲」を運営する。神奈川県社会福祉審議会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。