利用者や家族が確認したり、実地指導で調査対象になったりすることもあるため、作成時に守るべき4つのルールを知っておきましょう。
【ルール1】事実をわかりやすく書く
読み手へ内容を正確に伝えるため、5W1H(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように)を意識し、見聞きした事実をできるだけ正確に記載するようにします。伝えたいことが多いときは、長い文章を連ねるよりも、箇条書きにしましょう。
【ルール2】原則として敬語表現は使わない
利用者や家族の尊厳に配慮した表現はもちろん必要ですが、書類は端的に記載する必要があるため、敬語表現は原則として使用しません。文末も敬体(です・ます調)ではなく常体(だ・である調)にして、両者を混在させないように心がけるとすっきりします。
【ルール3】日付や時間、作成者を明記する
誰が、いつ書いたものかわからない書類は、信頼性が大幅に損なわれますし、何より不便です。あらかじめ日付や時間、作成者を書き込む欄を設けておくとよいでしょう。西暦と和暦のどちらを使うかなど、事業所全体で表記ルールを統一しておくと便利です。
【ルール4】訂正は後からわかるように行う
手書きするときは、鉛筆のように容易に消すことができる筆記具や修正液は使いません。訂正するときは、元の文章がわかるよう二本線を引き、そばに訂正内容や日付、訂正した人の名前などを書いておくのが正式な方法です(訂正印を用いることもあります)。
本誌では書類で伝わりにくい専門用語や略語、医学的な表現についても解説しています。
柴田先生から「訪問介護の書類の書き方」を直接学べるセミナーはこちら>>
監修/柴田範子
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト事業所「くじら雲」を運営する。神奈川県社会福祉審議会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。イラスト/オカムラナオミ