一般的に、明るくハキハキした話し方がよいとされていますが、高齢者に対しては配慮が必要です。高い声より低い声のほうが聞こえやすい、ゆっくり落ち着いた話し方のほうが聞き取りやすいという人が多いものです。
「高齢になると耳が遠くなるから」と、大声で話しかける人がいますが、これもより聞こえづらくしている場合があります。声のボリュームは普通でも、ゆっくり、言葉を区切りながら話すのが適切です。
大切なのは、話しているときに利用者の表情を観察すること。「聞き取りづらそうにしているかも」「理解できていないかも」と感じたら、声量やスピードを変えるなど、話し方を工夫しましょう。
本誌では研修で確認し合いたい接遇「5つの原則」をチェックリストと解説付きで紹介しています。
監修/柏瀬美奈子
ヒューマンライフケア株式会社・人事部 育成担当 ジュニアマネジャー。介護福祉士。施設介護、通所介護、訪問介護などの職を経て、人材育成、資格講座の講師を担当。2013年より現職に就き、研修企画、業務開発などに従事。これから「介護」を目指す人の熱い想いを支え、その教育・研修を提供することで、地域・社会への貢献を果たしている。取材/坂口みずき イラスト/Kuma*Kuma