ポジショニングは、自分で体を動かすことが難しい方に対しておこなうケアです。寝たきりの人では体の一部に圧力がかかり続けてしまうため、クッションなどを使って姿勢を変えて圧を分散させますが、何のためにおこなうのか、その目的を改めて考えてみましょう。大きくはこの2つ。
①褥瘡を作らないため
②筋緊張を高めないため
他にも、呼吸をしやすくする、ベッドで食事をしやすくする、など、1人ひとりの状態に合わせた目的があります。しかし、研修などでポジショニングや福祉用具の使い方を学ぶ機会も少ないため、利用者宅で見よう見まねでポジショニングをしている、という方もいるのではないでしょうか?
『へるぱる2025 3・4月』では、ポジショニングの基本、圧がかかる場所の確認、圧分散の確認、お尻・上部体幹のポジショニングの実践、圧抜き、などを写真を用いて丁寧に解説します。ぜひ、利用者宅で実践してみてください。
監修/松本多正
医療リハビリテーション学修士、認定作業療法士、福祉用具プランナー。作業療法士の養成校卒業後、福岡県と鹿児島県で急性期から在宅までの医療現場を経験。そこで地域ケアの重要性を実感し介護老人保健施設へ。施設のケアと在宅のケアを結びつけるために施設に積極的に福祉用具を導入し、重度の障害を持っていても家に帰れる施設づくりを行う。現在は生まれ育った北九州市で在宅生活の支援を考えながらリハビリを行う傍ら、子育てを通じた地域ケアにも奔走中。著書に『滑らせる介助の技術』(中央法規出版 共著)など。
イラスト/藤田侑巳