「5つの原則」に加え、介護の現場において非常に重要なのが“距離”と“目線の高さ”です。ワークショップを通して、利用者の気持ちを体感しましょう。
利用者と介助者の関係性でもパーソナルスペースを大切に
パーソナルスペースとは、他人に侵入されると不快に感じる空間のこと。空間の大きさは、相手との関係や状況などによって変化しますが、誰しもあるものです。
しかし、介助の際は体を密着せざるを得ない場面も多いため、感覚が麻痺し、無意識に利用者のパーソナルスペースを侵していることがあります。普通に話しかけるときであれば、伸ばした腕1本分くらいの距離を保つとよいとされています。
また、「5つの原則」の「挨拶」や「表情」において、目線(視線)を合わせることをポイントに挙げていますが、その高さも重要です。基本的には同じ高さが望ましいと言われていますが、距離が近いと、顔が近すぎて話しづらいと感じる人もいます。
その感覚は人それぞれ異なるうえ、相手によっても変わるもの。その点を意識しながら、ワークショップに取り組んでみてください。
本誌では研修時に実践できるワークショップも紹介しています。
監修/柏瀬美奈子
ヒューマンライフケア株式会社・人事部 育成担当 ジュニアマネジャー。介護福祉士。施設介護、通所介護、訪問介護などの職を経て、人材育成、資格講座の講師を担当。2013年より現職に就き、研修企画、業務開発などに従事。これから「介護」を目指す人の熱い想いを支え、その教育・研修を提供することで、地域・社会への貢献を果たしている。取材/坂口みずき イラスト/Kuma*Kuma