長期目標と短期目標の違いを意識する
訪問介護計画書は、ケアマネジャーが作成したケアプランから訪問介護に関する部分だけを抜粋し、どのような支援を行うか具体的に示すものです。サービス内容や提供時間、週間予定、注意点などが記載されますが、最も重要なのが長期目標と短期目標です。
ケアプランでも目標は設定されていますが、必ずしもその内容を丸写しする必要はありません。むしろ、訪問介護ならではの視点で利用者に寄り添い、具体的な目標を作成するほうが望ましいでしょう。長期目標は、いわば利用者の望む姿へ到達した状態です。短期目標は、長期目標を達成するまでの過程で、すぐにでも取りかかって効果が見込める内容とします。
アセスメントも生かして個別性のある目標を立てる
訪問介護計画書のベースとなるのはもちろんケアプランですが、そこからの情報だけで個別性のある目標を作るのは難しいこともあります。そこで、サービス提供責任者やホームヘルパーが追加でアセスメントを行い、情報を肉付けすることが重要になります。「どの利用者の目標も同じようなものになってしまう」という事態を避けるためには、その人がどうなりたいか、何をしたいかという点を確認し、そのために必要な支援を組み立てることが欠かせないのです。
本誌ではベースとなるケアプランや長期・短期目標の作成例も紹介しています。
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監修/柴田範子
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト事業所「くじら雲」を運営する。神奈川県社会福祉審議会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。