私たちの体には、出血時に、自然と血を止める仕組み(止血作用)が備わっています。ですが、どうして「血液を固まりにくくする」必要があるのでしょうか?
理由はいくつかあります。正常な血管であれば止血作用の過程でつくられた血栓は自然となくなります。ですが、喫煙や肥満、生活習慣病(高血圧や糖尿病など)で動脈硬化などが進んでいる血管では、出血がなくても止血作用が働き、血栓がつくられるケースがあるからです。
血栓は、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす危険が大きいため、薬の服用でコントロールすることが大切になります。
『へるぱる2025 5・6月』では、利用者が服用する上で気をつけたいこと、出血症状など利用者の変化に気づくポイント、薬との食べ合わせや飲み合わせで注意したいこと、なども具体例とともに解説します。
堀 美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」の店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携! お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。
イラスト/佐藤加奈子