訪問介護職にとって「プライバシーの保護」に努めることは、職務上、必要不可欠ですが、「どこまでの範囲をプライバシーというのか」という問いに対する答えは、人によって様々で難しいものです。『へるぱる 2025 7・8月』では、その本質について改めて考えています。
“利用者をどのように捉えるか”を大切に
例えば、認知症の利用者を複数名担当している場合、「認知症があるから、似ているはず」と考えて、同じように対応するのではなく、1人ひとりが「違う・異なる」という視点で接することが適切です。「プライバシーの保護」も同様に、
- 自分が利用者の立場だったらどう思うか
- 自分がされたら嫌なこと・悲しいことは何か
という視点をベースにすると、ホームヘルパーとして、どのような振る舞いをしていくべきかイメージしやすくなります。
「様々な考え方や価値観があること」を知るために、複数のプライバシーに関連するケースを挙げ、各自で考えてもらうページを用意しました。それを元にみんなで話し合い、個別性の理解を深めましょう。詳しくは本誌をご覧ください。
監修/永嶋昌樹
東京都介護福祉士会会長、日本社会事業大学社会福祉学部 准教授。博士(社会福祉学)、介護福祉士、社会福祉士。社会福祉事業団に就職後、特別養護老人ホーム介護職員、在宅介護支援センター相談員・介護支援専門員など約12年間の現場実務を経て、大学の専任教員として福祉専門職養成に携わる。
イラスト/ささきともえ