高齢者では、要介護度が上がってくると、自宅での入浴を諦めて、すぐにデイサービスなど施設での入浴に変更してしまうケースを見ることがあります。利用者1人ひとりの状態や環境に合わせて、在宅で入浴ができるかもしれない、ともう少し考えてみてもよいのではないでしょうか?
もちろん、ケアプランに基づいてその人に合った選択ができることが大切です。『へるぱる 2025 7・8月』では、在宅での入浴のメリット・デメリットを実際の手順に沿って、注意すべきことやどのような福祉用具が利用できるか、を考えます。
具体的には
脱衣場への移動→脱衣→洗い場への移動→洗体→浴槽に入る→温まる→浴槽から出る→身体を拭く→着衣
という流れと、そこに必要になる手すりやリフトの設置などの実例を、写真を用いて丁寧に解説します。ぜひ、利用者宅で実践する際の参考にしてください。
監修/市川 洌
早稲田大学理工学部卒業。東京都補装具研究所、東京都福祉機器総合センターで福祉機器の研究等に従事したのち福祉技術研究所株式会社を設立。高齢者・障害者に対する各種福祉用具支援やコンサルティング、福祉関連従事者に対する福祉用具支援を中心とした講習会・講演等を積極的におこなっている。著書に『ひとりひとりの福祉用具─福祉用具支援概論─』(日本工業出版)、『滑らせる介助の技術 スライディングシート・トランスファーボードの使い方』(中央法規出版)など多数
イラスト/藤田侑巳