「悲しい」と思うのは素晴らしいこと
『へるぱる 2025 7・8月』では、看取り後のホームヘルパーの心のケアに重点をおいて、看取りケアを特集しています。
まず伝えたいのは、利用者が亡くなった後、悲しいと思うのは、それだけ利用者のことを大事に思ってきたということです。利用者をよく見て、その人柄に共感し尊厳を大切にして接してきたからこそ、悲しいという感情がわいてくるのです。とても素晴らしいことですし、悲しいと思えるあなたはそれだけ深い人間性を持っている素敵な人です。
看取り後の悲しみを乗り越えるには?
悲しいという気持ちは無理に抑える必要はありません。その気持ちを受け止めながら、以下のようなことを本誌では提案しています。
- 利用者との別れの時を設け、区切りをつける
- 話すことで悲しみを吐き出す
- 利用者との思い出を振り返る時間を設ける
- 反省点だけでなく、よかったケアも共有する
それぞれの詳しい内容は『へるぱる 2025 7・8月』をお手に取ってご覧ください。事業所内研修でご活用いただけるよう、ワークショップも盛り込んでいます。
監修/鎌田松代(かまだまつよ)
(公益社団法人 認知症の人と家族の会)
大学病院で看護師として働き、1981年に義父の介護で離職。義父の介護経験から復職後は在宅看護分野で看護師として勤務。後にケアマネジャーとなる。特別養護老人ホーム、療護園、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所等で勤務。1990年に認知症のことを知りたいという思いから「認知症の人と家族の会」に入会。2023年6月からは代表理事を務める。2004年より佐賀の両親、京都の義母が認知症の診断を受け、自身も介護家族を経験。
イラスト/さいとうかこみ