薬を飲むタイミングとしては、「食前」「食間」「食後」「食直前」などがあります。各タイミングの目安は以下のようになります。
食前(食事をする30分前)
漢方薬や食欲増進薬、吐き気止めの薬が代表的なもの。
食直前(食事をする5分前以内)
「お箸を持ったら飲む」が目安。糖尿病治療薬の中の速効型インスリン分泌促進薬が代表的なもの。
食間(食事が終わっておよそ2時間後、次の食事のおよそ2時間前)
食事と食事の間の空腹時。漢方薬や胃粘膜保護薬が代表的なもの。「食事中に飲む」という解釈は間違い。
食後(食事が終わって30分以内)
最も多くの薬にあるのがこの指示。理由としては、①食事時間と関連させることで、薬の飲み忘れを防ぐ、②薬によって胃粘膜が荒らされてしまうのを防ぐ、この2つが挙げられる。食後にコーヒーや紅茶を飲まれる利用者の場合、その時間も含めて食事時間と考える。緑茶は影響がないといわれている。
堀 美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携! お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。