「貼付剤」は、文字通り「皮膚に貼る薬」のことなので、身近な「湿布」も貼付剤の1つです。最近は、痛み止め以外にも様々な目的で使われる貼付剤が増えています。その主なメリットは
- 貼るだけで、簡単に使用できる
- 薬が飲みにくい人でも使いやすい
- 使用しているかどうかを視覚的に確認できる
- 有効成分が皮膚から吸収されるので胃腸などへの負担が小さく全身性の副作用が起きにくい
などがあげられます。
このようなメリットの一方で貼付剤は、飲み薬に比べて「薬」という意識を持たれにくいことが問題視されています。利用者や家族に間違った認識を見直してもらうために、多職種と連携しながら働きかけていくことも、プロの介護職としては大切な役割です。
『へるぱる 2025 11・12月』では、貼付剤の使われる主な症状や疾患、貼り方やはがし方などのケアのポイント、保管の注意点など、様々な視点から解説します。ぜひ、日々のケアの参考にしてください。
監修/堀 美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」の店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携! お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。
イラスト/佐藤加奈子

