スタンディングリフトは、立ち上がりが困難な利用者を無理に抱え上げることなく、トイレや車いすへの移乗、下衣の着脱、立位訓練などに活用できる福祉用具です。介護現場では導入があまり進んでいないこともあり、ホームヘルパーのみなさんには馴染みがないかもしれませんが、安全な移乗に威力を発揮する福祉用具です。
『へるぱる 2025 11・12月』では、体幹の支え方の異なる 立位型、胸腹部支持型、の2つを、それぞれ手動型、電動型 に分けて実例とともに解説します。
使用例が少なく慎重に適合性を見極める必要があることから、誰もが使える移乗用具ではありません。しかし、うまく適合すれば、利用者の立ち上がる力を活かしながら安全に移乗することができ、介助者の負担も軽減できる便利な福祉用具です。実際の写真も豊富に使用して解説していますので、使う場面をイメージしながら、本誌を参考にしてみてください。
監修/市川 洌
早稲田大学理工学部卒業。東京都補装具研究所、東京都福祉機器総合センターで福祉機器の研究等に従事したのち福祉技術研究所株式会社を設立。高齢者・障害者に対する各種福祉用具支援やコンサルティング、福祉関連従事者に対する福祉用具支援を中心とした講習会・講演等を積極的におこなっている。著書に『ひとりひとりの福祉用具─福祉用具支援概論─』(日本工業出版)、『滑らせる介助の技術 スライディングシート・トランスファーボードの使い方』(中央法規出版)など多数。
イラスト/藤田侑巳

