かつては、認知症になると人として尊重されず、十分なケアを受けることができませんでした。介護や医療の専門職、家族などが向き合い、気づきと改善を繰り返しながら、ときに行き詰まり、手探りで切り開いてきたのが現在の認知症ケアです。
『へるぱる 2026 1・2月』では、少し目線を変えて、これまでの道のりをたどりながら、今、求められている認知症ケアについて考えています。
例えば、ホームヘルパーの皆さんにとっては馴染みのある「BPSD」という用語ですが、この言葉も使われるようになるまでには、呼び方やとらえ方に歴史があります。
そして、もっとも大きな変化が、「痴呆」から「認知症」への呼称変更でしょう。この辺りの変遷についても取り上げています。
こうした歴史を振り返りながら、事業所のみなさまで話し合い、認知症ケアの研修にお役立てください。
監修/島田孝一
株式会社Professional Works代表。東京都認知症介護指導者、介護福祉士。特別養護老人ホーム、グループホームを経て、認知症対応型通所介護事業所を運営し、日々認知症ケアに取り組んでいる。介護職向けの認知症ケア研修のほか、市民向けの認知症講座でも講師を数多く務める。

