【予防1】日頃から、水分をこまめに摂取してもらうように工夫する
最大の予防策は、一にも二にも水分補給! でも、「飲んでください」「熱中症にならないよう、飲みましょう」と勧めるだけではうまくいかないことも。利用者が普段の生活の中で、スムーズに水分補給ができるような工夫をしましょう。
※持病などにより、水分や食事制限のある利用者については、事前に主治医に相談しましょう。
のどが渇いていなくても、水分を摂る習慣をつける
「脱水症や熱中症にならないため」ではなく、水分摂取を日常的なものにすることが重要です。朝起きたとき、1日3回の食事のとき、散歩や買い物など外出の前後、入浴の前後、寝る前など、生活に絡めて水分を摂る習慣がつくようにサポートしましょう。どのホームヘルパーが介助に入っても、同じように接することが大切です。事業所内はもちろん、複数の事業所が関わっている利用者には、ケアマネジャーに協力を仰ぎ、関わるスタッフ一丸で取り組みましょう。
※小さな湯飲み(約120~150mlぐらい)で1日計8回、トータル1.2lの水分摂取が理想
水分を勧めるときも、まずは普段の会話から
食事時や入浴前後であればまだしも、水分摂取を必要としていないのに、「お茶を飲みましょう」「脱水症予防に大切ですよ」と言われても、利用者が納得しないのは無理もないでしょう。
まずは、「今日は体の具合どうですか?」「昨日より暑くなりましたね」など、利用者とあれこれ会話をしましょう。そのなかで、「たくさんおしゃべりをしたから、のどが渇きませんか?」「暑いと汗をかくので、お水を用意しますね」など、うまく気持ちを乗せられる会話を心がけたいものです。
本誌では生活シーンに合わせた工夫のポイントを詳しく紹介しています。
監修/秋山正子
株式会社ケアーズ 代表取締役・白十字訪問看護ステーション 統括所長。NPO法人 白十字在宅ボランティアの会 理事長。認定NPO法人マギーズ東京 共同代表理事兼センター長。気軽に立ち寄って相談できる「暮らしの保健室」室長。「教えて!『かくれ脱水』委員会」委員などを務める。取材・文/植田晴美 イラスト/西脇けい子