【予防2】環境を整えて、少しでも涼しく、過ごしやすく
暑さに対する感覚も鈍くなっている高齢者の場合、生活環境に関しても、周囲の気配り、目配りが大事です。ここで挙げたこと以外にも、状況に応じて取り組んでみてください。
窓を開けて、空気の通りをよくする
同じ外気温でも、風通しが悪いと熱がこもり室内の温度は高くなります。でも利用者のなかには、防犯などを理由に「どんなに暑い日でも窓を開けない」という人も。そうした習慣を変えることは困難ですが、せめてホームヘルパーの訪問中だけでも窓を開けて換気をしましょう。窓を開けるのと併せて、扇風機をまわし、空気を循環させるのも効果的です。
たとえば、こんな声かけを!
- 「帰るときに、きちんと戸締まりをしますから、少し空気を入れ換えましょう」
- 「台所で火を使うと暑くなるので、窓を開けますね」
利用者が安心できる言葉を選びましょう!
ベッドは窓から少し離れた場所に
「日当たりのよい場所で過ごしてもらいたい」との思いから、利用者が普段よく過ごす部屋や場所が、“窓際で日差したっぷり”ということがあります。でも、直射日光を浴び続けると体内の水分が奪われた
り、カーテンが熱を持ち続け、秋でも30度以上の室温になったりすることがあります。
今、利用者がどのような環境で過ごしているかを見直し、「ベッドの位置を移動する」「窓に貼る遮熱フィルムを提案する」などの対策をとりましょう。
本誌では生活環境に対する気配りのポイントを詳しく解説しています。
監修/秋山正子
株式会社ケアーズ 代表取締役・白十字訪問看護ステーション 統括所長。NPO法人 白十字在宅ボランティアの会 理事長。認定NPO法人マギーズ東京 共同代表理事兼センター長。気軽に立ち寄って相談できる「暮らしの保健室」室長。「教えて!『かくれ脱水』委員会」委員などを務める。取材・文/植田晴美 イラスト/西脇けい子