居心地のよい事業所の、成り立ちの秘密を探る
日頃、多くの仕事に追われるサービス提供責任者は、なかなか気が休まる暇がありません。ちょっと相談したい。ちょっと愚痴を聞いてほしい。そう思っても、同僚も忙しく、みな自分のことで手一杯。ホームヘルパーからの相談には答えなくてはいけないのに、自分には相談相手がいないと感じている人も、多いかもしれません。自分の職場がもっと居心地のよい、互いに支え合える職場だったら―。そんな思いを持つ方たちに向け、2018年度の「へるぱる」本誌では全6回のシリーズで、職場づくりのヒントを伝えていきます。
ヒントを提供してくれるのは、名付けて、“チーム日髙”。訪問介護と居宅介護支援を手がける事業所の社長・管理者である日髙淳さんと、3人のサービス提供責任者を中心としたチームです。最初に関わった訪問介護事業所で、利用者やスタッフへの管理者の対応に疑問を感じた日髙さんが、自ら事業所を立ち上げたのは2000年のこと。今では、スタッフが定着する、利用者・他職種からの信頼が厚い事業所として知られています。今回は、“チーム日髙”を作り上げていくうえで、日髙さんが大切にしてきた3つのポリシーと、その実践から生まれた5つの強みを紹介します。
事業所の3つのポリシー
- コミュニケーションを密にする
- 即断・即決・即対応
- 「されたくない」ことをしない
監修/日髙 淳
神奈川県横浜市で訪問介護と居宅介護支援を提供する「ステップ介護」を運営。管理者を務めつつケアマネジャーとして多くの利用者を担当。訪問介護では現場に出向き、現状把握、介護連携講師等に活用している。横浜市訪問介護連絡協議会相談役。文/宮下公美子 イラスト/藤井 恵