実は低栄養に陥っている高齢者が非常に多く、社会問題にもなっています。食べない(食べられない)理由から、まずは探っていきましょう。
食べない(食べられない)理由で、一番多いのが実は咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)の問題です。ちゃんと食べられているのか、はっきりわからないときは「噛めているか」「飲めているか」を観察しましょう。
いつまでも口にためていない?
噛むときに下あごだけが上下に動き左右に動かない、ずっと口に食べ物を含んでいるなどの様子が見られたら、きちんと噛めていない証拠です。
義歯は合っている?
合わない義歯を使い続けている人は結構います。やせて義歯が浮いてしまい、食べるときにカラカラ音がする人も。義歯を替えれば解決が見込めるので、真っ先に確認を。
食べ物や飲み物を口からこぼしていない?
噛む力や、食べ物をまとめて喉に送り込む力が低下すると、こぼれてしまいます。
他にも、むせやすい、せき込みやすい、食事時にせきやたんが多いなど、咀嚼や嚥下にトラブルがあると様々なシグナルがあります。
監修/米山久美子
認定在宅訪問管理栄養士。管理栄養士。高齢者施設、病院、人間ドックや企業での栄養指導、特定保健指導などを経て、現在は「地域栄養サポート自由が丘(居宅療養管理指導事業所)」「eatcoco(栄養ケア・ステーション)」にて、訪問栄養食事指導を中心に活動。在宅療養者に食事や栄養のアドバイスをおこなっている。取材・文/植田晴美 イラスト/すぎやまえみこ、白ふくろう舎