訪問介護に携わる人は利用者の自宅で介護をするため、普段から膨大な個人情報に触れながら仕事をしています。個人情報漏洩などのリスクがどこにあるのか認識を共有し、意識を高めましょう。
個人情報って何?
個人情報とは、下記のように「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別できるもの」と定義されており、「個人の身体、財産、職種、肩書等の属性に関して、事実、判断、評価を表す全ての情報」を含むとされています。
もし利用者の個人情報を第三者に漏洩してしまえば、利用者などに迷惑や被害を与えることになり、場合によっては損害賠償に発展するケースもあるでしょう。特に訪問介護では利用者の生活圏に入ってサービスを行う性質上、利用者はもちろんご家族も含めた個人情報の取り扱いに、細心の注意が必要です。
2017年には施行後約10年ぶりに「個人情報保護法」が改正され、五千人以下の情報を取り扱う小規模事業者であっても適用されるなど、ほぼすべての事業者に個人情報保護の義務が課されることになりました。また個人情報の定義がより明確化され、「人種・信条・社会的身分・病歴・前科」などの「要配慮個人情報」は本人の同意を得なければ取得できないなど、より広く、より強固な保護へと改正されています。
監修/松田吉時
介護福祉士、介護支援専門員。株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ取締役副社長。2009年にケアリッツ・アンド・パートナーズに参画。訪問介護事業所を新設してヘルパー業務や管理者業務等に従事後、現在は社員研修、社内監査等を担当。文/元井朋子 イラスト/しまだ・ひろみ