認知症の利用者は、医師、看護師、ケアマネジャーなど、多くの人と関わっています。そのなかでも、ホームヘルパーは利用者の日々の生活を支える大きな存在。近い距離で見守る私たちだからこそ、できることを考えてみましょう。
マイナスにとらえられることもある訪問介護の特徴ですが、見方を変えれば、認知症ケアにプラスな要素がたくさんあります。あらためて振り返ってみましょう。
1対1で向き合えるからその人に合ったケアができる!
施設での介護とは違い、他のスタッフはいませんが、同時に他の利用者もいません。つまり、周囲を気にせず、目の前の利用者に集中することができます。1人ひとりのペースや状況に合わせ、適した対応が取れます。
利用者の素(す)が見える&利用者を知るヒントがたくさんある!
外に比べて家にいるときの方が、利用者の本心や本来の性格などが見られるものです。また、家に置いてある物などから、生活歴や趣味などを知ることもできます。言葉や思いをうまく伝えられない利用者の気持ちをくみ取りやすい環境といえます。
集中して接することができ利用者の変化に気づきやすい!
時間内にケアが終わらず困ることもあると思いますが、施設のように長時間ではない分、サービス中は目の前の利用者に注力することができます。また、同じ時間帯&サービス内容で担当を続けると、利用者の些細な変化にも気づきやすくなります。
監修/小沼 巧
ウエルシア介護サービス株式会社 茨城町営業所 訪問介護 サービス管理者。2014年に入社後、サービス全般に関する管理・調整、1人ひとりの思いに寄り添ったサービスの提供に努めている。イラスト/タナカユリ