居心地、風通しのよい職場は、どうすればつくれるのでしょうか。まずはそのための心構えを見ていきましょう。
何でも受けとめる
聞く姿勢を示し、言われたことをきちんと受け止める。まずは、そんな何でも言える環境をつくります。そのためには、互いに声をかけ合い、言い出しやすい雰囲気に。そこで出た耳に痛い話も、きちんと受け止めていくと関係が変わります。相手を尊重するそんな対応を、1人からでも始めることが職場の雰囲気をよくする第一歩です。
実績例
- サービス提供責任者、ホームヘルパーにいつもと違う様子を感じたら、管理者が必ず声をかけます。そこから「実は…」という本音の話が聞けることもあります。
- ホームヘルパーから「あの利用者のところはやりにくくて…」という話が出たら、そう感じた理由などを丁寧に聞き、一緒に対応を検討。「相談してくれれば何とかする」姿勢を示します。
- それでも解決策が見つからないときは、「一度撤退する?」「回数を減らす?」など、相談者に選択肢を示して選ばせます。押しつけではない対応が、「困ったら相談しよう」という信頼を育てます。
絶対に守り抜く
「何があってもスタッフを守る」。管理者、サービス提供責任者にそうした強い思いがあると、スタッフは安心して働けます。利用者やケアマネジャーからのクレームにはきちんと耳を傾けながらも、決して言いなりにはならない。そんな姿勢で、管理者はサービス提供責任者を、サービス提供責任者はホームヘルパーを守り、支えます。
実績例
- 訪問予定があるホームヘルパーは、当日の朝、必ず事務所に電話を入れます。そのとき、少しでも体調が悪そうな様子があれば、すぐにシフトを変え、休養してもらいます。
- たとえミスや事故があっても、一方的にホームヘルパーが責められないよう、契約時、100%の事故防止は困難であると、利用者に理解してもらえるよう努めます。そして、日頃からの丁寧なサービス提供で信頼関係を構築。事故等の際は、管理者自らがすぐに駆けつけて利用者の話を十分に傾聴し、ホームヘルパーを一方的に責める声を防ぎます。
監修/日髙 淳
神奈川県横浜市で訪問介護と居宅介護支援を提供する「ステップ介護」を運営。管理者を務めつつケアマネジャーとして多くの利用者を担当。訪問介護の現場での声を現状把握、介護連携、講師等に活用している。横浜市訪問介護連絡協議会相談役。文/宮下久美子 イラスト/藤井 恵