ネットが普及し、誰もがスマートフォンを持つ時代。介護の世界においてもPC利用率は年々増加していますが、セキュリティ対策はまだまだ万全ではないのが実情です。各電子機器のセキュリティ対策について詳しく見ていきましょう。
パソコンのセキュリティ
パスワードは必ず定期的に変更ウイルス対策も万全に!
パソコンには個人情報がまとまっているだけに、セキュリティ対策は強固にしておく必要があります。必ずパスワードを設定し、起動しただけでは開けないようにしておきましょう。パスワードは定期的に変更することで、より安全性が高まります。作業中にちょっと中座する場合でもスリープにしたり、スクリーンセーバーを設定するなど、覗き見防止策をとっておくことも重要です。
また外部から侵入されてデータを盗まれたり、情報を改ざんされたりしないためにも、ウイルス対策ソフトを自動でアップデートできるように設定しておきましょう。
スマートフォン・携帯電話のセキュリティ
ロックは必須! ちょっとした中座でも放置しないこと
事業所から支給された携帯電話には、利用者とのやりとりや利用者の住所、電話番号などの情報が詰まっています。仕事用はもちろん、私用の携帯電話にも必ずロックをかけ、決して他人にパスワードを教えないこと。仕事中に置いたまま洗面所に行くなど、目の届かない場所に放置するのも非常に危険ですので、注意しましょう。
また、記録や記憶のために撮影しておいた書類や写真は、必要がなくなった時点ですぐに削除しておくようにしましょう。いつまでも残しておくと、故意でなくても誤ってデータを流出させてしまうなど、トラブルの元になります。
SNS対策
名前がなくても読む人が読めばわかる不用意な情報発信は禁止!
FacebookやTwitterなどSNSでの情報発信は、想定していない人の目に触れる可能性があります。利用者自身や利用者周辺の写真はもちろん、利用者が特定されるような情報は載せない、事業所への不満や利用者の悪口などは書かないなど、基本的なマナーを徹底しましょう。
また悩み相談のサイトなどで、利用者の名前や特徴を伏せて、個人情報を出していないつもりでも、読む人が読めば誰かわかってしまう場合もあります。介護サービスはデリケートな問題も含んでおり、過去には自身のブログに利用者が特定できてしまう内容を書き込んだホームヘルパーとその事業者に280万円の損害賠償命令が出された例もあります。インターネットを介した情報発信には細心の注意が必要です。
監修/松田吉時
介護福祉士、介護支援専門員。株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ 取締役副社長。2009年にケアリッツ・アンド・パートナーズに参画。訪問介護事業所を新設してヘルパー業務や管理者業務等に従事後、現在は社員研修、社内監査等を担当。文/元井朋子 イラスト/しまだ・ひろみ