「クレーム」が起きてしまうのはなぜか?
利用者とその家族は訪問介護サービスを利用するにあたり、「これで安心して在宅生活が続けられる」「やっと親の介護が楽になる」など、さまざまな期待をしています。そしてそのサービス内容が、期待値を上回れば満足、下回れば不満となり、その不満が積もればクレームにつながります。
しかし、たとえミスやトラブルが起こっても、事業所が適切に対応すれば、信用を失うことはまずありません。「次回から気をつけてくださいね」と言われて済むことがほとんどです。
しかし[1]納得のいく説明がない[2]対応が遅い[3]改善されない…となると、利用者の不満は増大し、深刻な事態=クレームに発展する可能性があります。ときには、訪問介護サービスの契約打ち切り、さらには訴訟に発展し、損害賠償を求められる事態にもなりかねません。そのような事態を避けるために、まずはどう防ぐか対策を立てること。それでも防ぐことができなかったときには、どのような対応をすれば利用者のクレームが軽減し、次への進歩に繋げられるのかを考えていきましょう。
監修/柏瀬美奈子
ヒューマンライフケア株式会社・人事部育成担当ジュニアマネジャー。介護福祉士。施設介護、通所介護、訪問介護などの職を経て、人材育成、資格講座の講師を担当。2013年より現職に就き、研修企画、業務開発などに従事。これから「介護」を目指す人の熱い想いを支え、その教育・研修を提供することで、地域・社会への貢献を果たしている。取材・文/寺尾まり イラスト/しまだ・ひろみ