病院や施設と違い、食中毒や感染症を予防するためにどのような対策をするか。最終的に判断するのは利用者とその家族です。しかし、利用者自身はできないことも多いため、家族の協力が必要になります。
利用者だけでなく家族の価値観も大切に
同居、別居などで差はありますが、利用者と主に関わるのは家族です。食中毒・感染症予防の対策は利用者本人が納得するだけでなく、家族も理解・同意して、一緒に取り組んでもらう必要があります。ときには必要以上の予防をして、疲れたり、悩んだりしている家族もいます。その場合、「必要ないですよ」と否定するような言い方はせず、少しずつアドバイスをして、無理なくできるようフォローしていきましょう。
こまめに連絡&相談。家族と課題を共有しましょう
食中毒や感染症予防のため「こうしたほうが、よりよいのでは」などの提案や相談があった場合は、家族に連絡をし、確認をとってから進めます。介助中に気になることがあれば、事業所に報告しましょう。利用者の健康を守るため、課題があれば家族と共有し、一緒に対策を練るようにします。
トラブルにならないよう、文字で記録し、情報を見える化
気になることや連絡事項は家族に直接話すだけでなく、連絡ノートに書く、メールを送る、サービス記録のコピーを渡すなど、形が残るようにします。「こんなこと聞いてない」「勝手にやった」など、家族とのトラブルを防ぎましょう。
監修/倉井千恵
セコム医療システム株式会社 ケアサービス部課長。看護師、ケアマネージャー。1998年に入社。訪問看護、訪問介護、ケアマネジャーの実務を経て、現職。在宅介護を展開する部署で、おもに組織作り、人材の育成を担当。
文/植田晴美 イラスト/岡村奈穂美