Q 頓服薬(とんぷくやく)はホームヘルパーの判断で飲ませても構いませんか?
便秘ぎみで、頓服薬(食後など決まった時間ではなく、発作時や症状のひどいときに用いる薬)として下剤を処方されている利用者がいます。自分では判断しかねるようで、いつもホームヘルパーに意見を求めてきます。飲むべきか決めてもよいでしょうか?
A 服用するかどうかの判断は医療行為に準じるため、基本的にはできません。
頓服薬は症状を自覚したときに、自らの判断で服用することが認められた薬です。自分で判断できない場合、代わって判断できるのは家族と医療職になります。
【こう考えよう】
ホームヘルパーは利用者が飲むと判断した場合に、薬を手渡したり、口に入れたりする介助は可能ですが飲むべきかどうかを判断することは控えましょう。
自分で判断できず、家族もいない利用者の場合は、訪問看護師や薬を処方した医療機関、または薬を受け取った薬局の薬剤師などに相談するとよいでしょう。
専門職への相談はホームヘルパーでも可能です。その場で判断しなければならないときはケアマネジャーを介さずに直接確認しても構いません。ただし、そのようなことがあったら必ず事後報告しましょう。まずは、普段からこのようなときのために、ケアに関わるスタッフの連絡網を整備しておくことが大切です。
監修・執筆/能本守康
介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員、日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー、日本介護支援専門員協会常任理事、(株)ケアファクトリー代表取締役などを務める。著書に『Q&A 訪問介護サービスのグレーゾーン改訂版』(ぎょうせい)などがある。イラスト/藤原ヒロコ