Q 残薬がたくさんあります。かなり前のものなので処分してもよいですか?
利用者宅で掃除をしていたときに、何年も前の薬が押し入れからたくさん出てきました。ご本人に伺うと、「体調がよくなったので飲むのをやめた」とのこと。今さら飲めないし、捨てても問題ないですか?
A たとえ古い薬でも、ホームヘルパーの判断で捨てることはできません。
基本的に薬は医療保険の費用で出されたものです。処方した医療機関や薬を出してもらっている調剤薬局などに持っていき、処分してもらいましょう。
【こう考えよう】
飲み残しなどの薬は、処方した医療機関や調剤薬局に「返す」のが適切です。もちろん、返した後にその薬が再度誰かに処方されることはありませんが、勝手にゴミとして捨てるのは環境衛生的にも不適切です。
しかし、実際にはかなりの残薬が利用者宅にはあるでしょう。服薬介助で訪問していなくても、掃除や片付けの際は残薬の有無の確認が必要です。ほとんどの薬は処方日の記載があるので、そこから残薬かどうかを確認したり、お薬手帳でいつの処方かを確認することができます。間違っても、「なくなるまで古いものから飲んでいく」などの支援はしないでください。基本的に処方された薬の使用期限は、「何日間分」の最終日までと考えましょう。例えば、2週間分ならば、処方日から2週間後が使用期限になります。
監修・執筆/能本守康
介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員、日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー、日本介護支援専門員協会常任理事、(株)ケアファクトリー代表取締役などを務める。著書に『Q&A 訪問介護サービスのグレーゾーン改訂版』(ぎょうせい)などがある。イラスト/藤原ヒロコ