3 入社後
大切に思う気持ちをわかるように伝える
登録ホームヘルパーは、管理者やサービス提供責任者とともに事業所を支える大切な仲間。その思いを、言葉で、行動で、相手にわかるように示すことで、誠意が伝わります。
事業所の皆がお互いに何でも言い合える関係になる
ホームヘルパーの仕事は、孤独や不安を感じやすいもの。電話でのやりとり、事業所への立ち寄りなどのとき、気軽にそれを口にできる関係性づくりを意識します。
実践例
- サービス提供責任者、管理者、社長でさえも、利用者の前では同じ支援者。利用者のためなら、登録ホームヘルパーが社長を動かすことがあってもいいと考えます。
- 訪問の合間、登録ホームヘルパーはいつでも事業所に立ち寄りOK。おしゃべりを楽しみながら昼食をとったり、ちょっとした悩みや不安を相談できる雰囲気に。
- 事業所内の研修では、困っていることを発表。ざっくばらんに意見を言い合います。たとえ問題が解決しなくても、困りごとを共有して仲間意識を高めます。
してあげるからしてもらえる
困ったときはお互い様。全員がそういう気持ちで動けば、してあげたり、してもらったりという、お互いに思い合う関係ができていきます。
実践例
- 複数のホームヘルパーが訪問する利用者宅では、冷蔵庫を整理したり、ごみをまとめたり、次に訪問する担当者が仕事をしやすい方法を考えます。
- 親が倒れた。子どもがけがをした。そんなときの急な休みは、余裕のある登録ホームヘルパーがカバーします。カバーすれば自分のときもカバーしてもらえ、思いやりが循環します。
- 利用者からきついことを言われた。気持ちの行き違いがあった。そんなときのつらさも愚痴をこぼせる相手がいれば少しは治まります。これも持ちつ持たれつです。
人は自分が大切にされてこそ、他人に優しくなれるもの。大切に思う気持ちは形にして示すことで、相手にしっかりと伝わります。ここで紹介した実践例の中で、今できることは何かを考えて、一つずつ取り組んでみましょう。
監修/日髙 淳
神奈川県横浜市で訪問介護と居宅介護支援を提供する「ステップ介護」を運営。管理者を務めつつケアマネジャーとして多くの利用者を担当。訪問介護の現場での声を、現状把握、介護連携、講師等に活用している。横浜市訪問介護連絡協議会相談役。文/宮下公美子 イラスト/藤井 恵