利用者に異変が生じた際、パニックに陥ることなく、素早く適切に行動するには下記の7つのポイントを日頃から実践することが大事です。自分に備わっているかどうか、ひとつずつ確認しておきましょう。
緊急時でも冷静に対応するには?
緊急時はいつ、どのような状況で起こるのか予測できません。ですが、「誤嚥したら、まずはせきをするよう促す」など、正しい対応法が頭に入っていれば、適切な処置がとれるでしょう。とはいえ、知識を頭に入れるだけでは行動に移すのは難しいものです。実践的な知識を身につけ、日頃から訓練やイメージを繰り返すことが重要になります。
また、緊急時に忘れがちなのが、“自分の身を守ること”です。利用者を守るだけでなく、自身の身を守ることも頭に入れておきましょう。二次被害を防ぐことにもつながります。
そして当然ながら、利用者の持病や服用薬、既往歴などの情報を把握し、今後どんな症状が想定できるか調べておくことも大事です。小さな変化を見落とさず、気づいたことを記録に残し、医療職へつなぐことができれば、未然に防ぐこともできるでしょう。
監修/橋村あゆみ
特別養護老人ホーム 川口キングス・ガーデン 施設長。看護師として病院勤務を経て、専門学校で介護福祉士の教育、ケアマネジャーなどを経験。2007年より川口キングス・ガーデンにて看護主任として勤務、2014年、現職に。著書に『三訂版 緊急時の介護 ~とっさの症例判断・対応マニュアル~』などがある。取材・文/坂口みずき