訪問介護に役立つ!研修資料に使える!へるぱる

訪問介護特有の虐待に結びつきやすい要因

記事

  • ホームヘルパー
  • 利用者
  • 研修
  • 虐待
  • 防止
訪問介護特有の虐待に結びつきやすい要因

訪問介護のサービスを提供する現場にも、残念ながら虐待に結びつきやすい要因が潜んでいます。どんな場面でホームヘルパーによる虐待が起こりがちなのか、そして“虐待”の芽を早期に摘むためにはどうすればいいのか、考えてみましょう。

意図しない虐待にも目を向けた対応を

虐待というと「悪意のある暴力行為」がイメージされがちですが、ケアの一環として行ったつもりのことや、親しみを込めたつもりの言動が、非意図的な虐待に該当することも少なくありません。さらに、いわゆる不適切なケア(マルトリートメント)を放置することが、重大な虐待行為につながってしまうこともあります。

ある行為が「明らかな虐待に当たるか」という点にこだわって考える必要はありません。虐待を発見することが本来の目的というわけではなく、利用者にとってよいケアを提供することが介護者の役割であるという基本を、折に触れて思い返しましょう。

1 限られた時間&閉ざされた空間

起こりがちなこと

  • 急いで服を脱がせようと強い力で利用者の腕をつかみ、あざを作ってしまった
  • 排泄介助中、拒否されたので利用者を下半身裸のまま放置してしまった

2 利用者との距離が近い

起こりがちなこと

  • サービス内容に含まれていないのに、お金の使い方を事細かに指図してしまった
  • 「だらしないから子どもが寄りつかないのよ」など、職員個人の主観で利用者を責め立ててしまった

3 家族の気持ちに寄り添う

起こりがちなこと

  • 家族が利用者に浴びせる言葉の暴力を「このくらいは仕方ない」と黙認し、改善のための働きかけをしなかった
  • 家族の指示どおり、座れば身動きがとれないとわかっているソファに利用者を座らせ、身体拘束に加担してしまった

 

監修/小川久美子
公益社団法人あい権利擁護支援ネット講師。社会福祉士。多様な高齢者福祉施設の現場経験に基づき、高齢者虐待対応や成年後見に関しての助言・指導を行うほか、全国で数多くの研修を担当する。

イラスト/尾代ゆうこ

参考文献:『「その人らしさ」を大切にしたケアを目指して』(公財) 東京都福祉保健財団

 

この記事は『へるぱる 2018年9・10月号』に掲載されています

介護職に求められる医療の知識は、どういうことなのか? 高齢者の体と心の変化を知って、観察することが求められていますが、具体的にどこを見ればいいのか? をわかりやすく学べる内容です。

他にも、緊急時の備えについて、介護職による“虐待”の芽は、どうやって早期に摘むかを研修特集としてお届けします。“書類”実例集では「サービス提供記録」を取り上げ、事例をもとに図解、理解を深めます。

へるぱる2018年9・10月号

特集内容

巻頭特集

ケアマネジャー&医療職との連携を目指して!

ホームヘルパーに求められる医療の知識とは?

研修特集1

現場で慌てないために

緊急時に備えていますか?

研修特集2

“虐待”の芽を摘むために

日々のケアからできること

  • もう悩まない!
    サービス中のあいまいゾーン[第8回]
  • 基本の介助術[第4回]
    排泄の介助をマスターしよう!
  • 「老計第10号」ポイントはここ![第4回]
  • ホームヘルパーが知っておきたい!
    医療の知識[第7回]―睡眠―
  • 2018年 介護保険制度改正で訪問介護はどうなる?[第4回]
  • サービス提供責任者がイキイキ
    働きやすい事業所づくりの秘訣[第4回]
  • こうしたらうまくいった!
    ホームヘルパー奮闘体験
  • みんなの声を聞かせて!
    へるぱるカフェ ―愛すべき ヘルパーな日々―
  • 実例集[第4回]サービス提供記録
    自由記述欄の書き方
  • おたよりお待ちしてます!
  • 訪問しました!
    キラキラ へる★ぱる
  • へるぱるPICK UP
  • 切り取って使えます!
    食材がないときのお助けレシピ
  • 年間購読お申し込みでプレゼント!
年間購読はコチラから
紙版を買う
  • Amazon.co.jp
  • 楽天ブックス
デジタル版を買う
  • 書店によってはお取り扱いが無い場合がございます。あらかじめご了承ください。
  • デジタル版は紙の雑誌と内容が異なる場合や掲載されないページがある場合がございます。また、印刷はできません。あらかじめご了承ください。
お知らせ/新着記事一覧